恐ろしいβ放射線源のストロンチウム90!降灰は降水量が多いところに集中。皮肉な…サイトマップ へホームへ⇔「健康第一」へ 日本人にとっては特に恐ろしいβ放射線源のストロンチウム90! 原子核爆発の3ヶ月が経過した後くらいになると、半減期56日のストロンチウム89、28.8年のストロンチウム90、30年のセシウム137、および280日のセリウム144が全放射能の主なものを占める放射線源となる。 そして、さらに時間が経てばストロンチウム90とセシウム137が残留放射能の大部分を占める。 さらに33年のセリウム137、1年のルテニウム106、2.6年のプロメチウム147も無視することはできないであろう。 このなかでも、特にストロンチウム90は放射性核種のなかでは最も寿命の長い(放射能を持つ)核種で、遠隔地まで届く放射能降灰として怖い放射線源である。 半減期が28.8年であるから、成層圏に長く留まっても大して減衰しない。 ストロンチウム90は、核分裂でウラン原子から直接生成されるものではない。 核爆発で先ずクリプトン90(化学的には貴ガス(noble gas)に属する)が生成され、33秒の半減期でルビジウム90になり、それが2.7分の半減期でストロンチウム90になる。 ストロンチウム90の粒子は長い半減期の過程で成層圏にまで達し、吹きまわされて最後に降下をはじめ、低い大気圏に入って雨、霧、雪などによって地上に運ばれて、草や森を覆いあるいは地中深く侵入する。 すなわち、ストロンチウム90の降灰は降水量が多いところに集中することになる。 皮肉な事に、降水量の多い場所は人間がその食物を育てるために集まっている場所でもあるということである。 放射性のストロンチウムはガンマ線を放出しないから、外部照射による傷害を生むということはあり得ないことである。 ストロンチウムは体内に摂取された場合にだけ潜在的な危険をはらんでいる。 ストロンチウム90が体内に沈着する理由は、化学的にはカルシウムの同属であるという事実による。 従って、カルシウムの入ることの出来る身体の全ての部分には、ストロンチウムがある限り、カルシウムに附属して運ばれるということが必ずおこりうる。 同様に、ストロンチウムは地中から吸収されて植物中にも混入する。 ストロンチウムとカルシウムの相対的な量は、例えば、もし、植物がカルシウムの欠乏している土壌で育ったとすれば、カルシウムを吸収する量がそれだけ多くなり、従って土壌中から不足しているカルシウムに代わって、ストロンチウムをそれだけ多く吸収することになるわけである。 特に火山国の日本は太古の頃の火山の爆発により国土がカルシウムが殆どない降灰で覆われていることは、日本人にとっては、ストロンチウムを吸収しやすい環境に置かれているということは重要なことである。 これに比し、ヨーロッパの土壌にはカルシウムがたっぷりと含まれている。ドーバーの白い崖で有名なあの白い崖の色はカルシウムの色であることはよく知られている。 同様にして、体内にカルシウムの不足している人は、食物中のカルシウムを多く代謝し、従ってそれに付随したストロンチウムも沢山摂取することになる。 われわれは、カルシウムの摂取源として、牛乳と乳製品に多くを依存している。 そして、乳製品がストロンチウムに汚染される理由は、蓄牛が比較的広い地域の牧草で飼育され、それが広い地域からストロンチウムを収集する事になるからある。 カルシウムの少ない土壌中のストロンチウムがそこで栽培された野菜や、牧草を食した蓄牛の乳製品を経て人間の体内に入って骨に沈着して体内のあらゆるところからβ線を放出し続けることになる。 これが半減期28.8年のストロンチウム90の恐ろしさである。 火山国であるがためにカルシウムの少ない土壌に住む日本人にとっては特に・・・ 参考:体内のカルシウムの99%は骨や歯に含まれ、残り1%は血液中や筋肉、神経などに含まれている。 血液中のカルシウムの濃度は常に一定に保つ仕組みになっているので、わずかでも濃度が低下すると副甲状腺ホルモンが分泌されて、骨に貯蔵されているカルシウムを血液中に溶かし出す。 関連:放射線の恐ろしさ 関連:食品への放射線照射
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